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楽曲評論家クソDDのアイドル三十七房

アイドルの話しかしません。

エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート

甘くしたいのか苦くしたいのかどっちなんだ。

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 私立恵比寿中学の舞台演劇作品、「シアターシュリンプ」の第1作目。2作目の「ガールズビジネスサテライト」を経て、今年の春に第3作目の上映が発表されたシアターシュリンプ。

アイドルの演劇作品って結構いっぱいあるけど、往々にしてなんか「うん…」って感じのものが多い。メンバーの一人がドラマに出演とかっていうのとは違って、グループ全員が主演みたいな扱いの演劇作品はだいたいが微妙。ももクロの「幕が上がる」はおもしろかったけど、でんぱ組の「白魔女学園」や欅坂46の「徳山大五郎を誰が殺したか?」とか。

駄作だとかそういうことではなくて、アイドルグループのメンバーが全員出演・主演って形はちょっと問題があると思うんだ。だってでんぱ組はでんぱ組なわけだし欅坂46欅坂46なわけで、「アイドル」としての印象が強すぎるがあまり「自分ではない誰かを演じる」ということにとことん不向きだと思うし、その演技の裏に「あぁ、もがちゃん頑張って演技してんなー」とか「平手さんすごいなー」みたいな実体としてのアイドルが演技の向こう側に見え透いてしまうこと自体が問題だと思う。

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だってこんなの、役を演じてる感ないもん。普通にでんぱ組のティザーっぽいもん。えいたそなんかむしろいつも以上にいつも通りのえいたそじゃん。

 

まあ、良くも悪くもそんな感じなんだろうと思って見てみたこの「エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート」。長え。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」をはるかに凌駕する語感。「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」とタメを張る。演出はあの世からキューブリックにやってもらおう。

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新参者ながらにいろんなエビ中の作品に目を通してメンバーの個性とかいろいろ把握してるつもりではあるし、その前提で見たにもかかわらず全く演技の裏にアイドルの実体が見え透いてこない。こんな言い方で伝わるのかな。要はエビ中メンバー全員シャレになんないレベルで実は演技が上手い。

エビ中で演技するってなったら柏木ひなたの一強だと思ってたけど実は全員振り切れ感がすごい。8人全員、元のエビ中メンバーのイメージをいい意味でうまく残しつつ演じることに徹している。この感覚は多分、ある程度エビ中に関する知識がある人ならわかってもらえると思うけど、今までのアイドル演劇作品にはない新鮮さと完成度の高さがあった。相当オススメ。

 

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特に小林・中山の最年少コンビ。この2人は喜劇やらせたらアイドル界で右に出る者はいないんじゃないかと思えるレベルで上手い。中山さんはめっちゃ滑舌悪いけど身振り手振りがナチュラルだし表情も豊かで、こないだ観た「ディストラクション・ベイビーズ」の柳楽優弥さながらの怪物演技が垣間見える。

小林さんもセリフ間の間の取り方とか、立て板に水の如く畳みかけるツッコミがキレキレ。おどおどした役回りなんだけどそれを喋っていない時の所作や表情でめちゃめちゃ忠実に演じ切ってる。

 

ちなみに脚本・演出してる土屋亮一さんが所属してるシベリア少女鉄道、これもまたおもしろい。あらゆるところに伏線をちりばめて上手いこと回収しながら気づいたら全然違う話になっているという、コミックミステリーというか叙述コミック的な本が多くて好き。こういうの見てると観劇おじさんになりそう。上映中にメモとか取っちゃいそう。

 

そんなシアターシュリンプの第3回公演「シー・イズ・ノット・ポストオフィス」が3月から東京と神戸で上映。マジのガチで神戸あたり行こうかな~。

ともかくシアターシュリンプの「エクストラショットノンホイップにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」、非常におすすめです。ん?