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楽曲評論家クソDDのアイドル三十七房

アイドルの話しかしません。

なぜヲタクと繋がってしまうアイドルがいるんだろう?

アイドル(Idol)っていう言葉の意味をちゃんと調べてみたことがあるだろうか。

そもそも「アイドル=idol」とは、直訳で「偶像」という意味らしい。偶像というのは神様や仏様のような宗教的な崇拝対象を形どってつくられた像のことで、「偶像崇拝」とかっていう言葉があったりする。もっとも偶像崇拝(例えばキリスト様の銅像を崇拝したりすること)っていうのは平たく言うと「俺たちはキリスト様の存在を崇めてるんであって別に銅像とかそういうモノを崇めてる訳じゃねえ」っていう否定的な指摘の際に使われる言葉らしいけど。まあその辺はどうでもいい。

 

つまり言い様によっては、アイドルはすなわち偶像、崇拝対象にならないこともない。聖書=雑誌やネット記事の中でその存在を知り、CDで神のお告げを聴き、お布施としてグッズ代を支払い、ライブという定期的に行われる礼拝の場でご神体を崇め奉る。

なんだ、アイドルというものは、現代の神だったのか。実にありがたいものだ。これで℃-ute矢島舞美さんが「唯一神」と呼ばれている本当の理由が分かった気がする。

ところが近頃は、そんな神ともあろうアイドル様に対しておいそれと「繋がり」を求める不躾な一般教徒が大勢いるらしい。これは由々しき事態だ。

 

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今日、とある5人組アイドルグループの中心メンバー2名が、ヲタクとプライベートな繋がりを持っていたことが発覚し、結果的にグループを脱退するという発表があった。日ごろからTwitterに噛り付き牧師様神父様もビックリの情報収集能力で界隈の動向を探っている敬虔な教徒諸君なら、どこのグループの誰と誰のことを言っているのかは言わずもがな分かると思うので詳細は省く。

 

多くのヲタたちは傷つき悲しんでいることだろう。自分もその一人である。が、僕の怒りの矛先はその「繋がり」を求めたヲタたちへではなく、安易にヲタと繋がってしまったアイドル本人たちへ向いている。貴様らはもう神でも何でもない。神から離反した、いわば堕天使だ。いや、天使は神じゃないけど。もうどうでもいい。サタン。

 

そもそもアイドルグループのメンバーひとりひとりというものは、これはアイドルに限った話ではないが、「商品」なわけだ。例えばアンジュルムのメンバーは全員アップフロントプロモーションの「商品」であるし、でんぱ組.incのメンバーは全員秋葉原ディアステージの「商品」だ。アイドルにおけるプロ意識というのは、アイドル自らが「自分は商品なんだ」という自覚を持っているか否かというところに帰結する、と思う。

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そしてその商品でどういう風にビジネスを展開していくかというと、CDやグッズを出したりCDをリリースしたりもそうだが、昨今のアイドルにおいてはもっぱら接触商法が用いられる。つまりは握手会・チェキ会だ。場合によってはアイドルと一緒にバーベキューができる、バスツアーに行ける、旅行に一緒に行けたりする場合もあるらしい。俺もアイドルと旅行行きたい。できれば温泉。混浴。

 

アイドルひしめく2010年代、儲けの鍵を握るのはこの接触商法なはずだ。ヲタクたちはアイドルと接触したいがために同じCDを必要の有無に関わらず複数枚購入し、握手券やチェキ券、その他もろもろのイベント参加券を手にして嬉々として接触へ向かうのである。つまり、アイドルとヲタとの接触には金銭のやり取りが発生する。これにはCDやグッズのように原価はかからないし、高額なライブ会場のレンタル資金も必要ない。アイドルの身体とちょっとした人件費さえあれば生むことができるこの利益こそがアイドル側にとっては大きなビジネスチャンスであり、それがあるからこそ2016年現在のアイドル文化が発展してきたと言っても過言ではない。

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ところが、そういうことを全く考えず、自らの商品価値も把握できていない残念な「自称:アイドル」の女性たちが安易に走るのがヲタクとの「繋がり」だ。そりゃあさぞかし気分はいいだろう。元々は自分のファンなわけなんだから、求めることは何でもしてくれるだろう。そこそこのものだったら買ってもくれるだろう。それより何よりまぁ~~チヤホヤしてもらえることだろう。馬鹿かと。だからお前はサタンなんだと。

 

そんなことがまかり通ったらあらゆるアイドルの接触商法はただの無味乾燥な作業イベントと化してしまう。「別にお金払わなくても会えるし」っていうアイドルに、誰がわざわざ同じCDを何枚も買って会いに行こうと思う?

ヲタクがそういう接触イベントに行って実際にアイドルと会って話せる、接触できるのはせいぜい5秒~10秒程度だ。彼女たちのようなサタンには、真面目なヲタクがただ日頃の感謝と激励の言葉を5~10秒間伝えたいがためにいくらのお金と時間を使っているかをもう一度地獄で考えてほしい。地獄の長になるのはそれからでも遅くない。

 

実際、個人的にオフのアイドルとばったり出くわしたことが何回かあるのだが、本当のアイドルはオフの時に握手や写真撮影を求められても大抵が申し訳なさそうに断る。自分たちの「握手」や「一緒に撮る写真」に商品価値があることをちゃんと理解しているからだ。自分たちは握手や2ショットチェキでお金が稼げる存在だとちゃんとわかっている。それでも傷つけない程度に「イベントに来てくれたら握手できますんで!」とキャバ嬢の営業メールみたいなあまりにも鋭利な言葉をヲタの心に串刺してキラキラと立ち去ってしまう。本来はこれがアイドル、であるはずなんだ。泣くな俺。

 

考え方によっては、こういうのもアイドル戦国時代の弊害なのかもしれない。道行くそこそこかわいい女の子に「アイドルやってるんですか?」って冗談半分で聴いたら「はい」って言われるっていうのが冗談じゃなくリアルであり得る世の中になったからこそ、全員が全員プロ意識を持って活動できているとは決して言いきれない状況にもなってしまった。

いずれそういうサタン達は淘汰されていく運命にあるんだろうが、健全なアイドルだけになるのと同時に絶対数の減少でアイドル文化そのものが衰退していそうな気が薄々するのが非常に悲しい。

 

今回は繋がってしまったアイドル側に向けてのみあれこれと書いたが、本来は繋がろうとするヲタこそが最大の悪だ。彼奴らのせいで何の罪もない他のヲタたちがいたく傷つき悲しみのどん底に陥れられたことを思うと、やりきれない。全員出禁になったそうだが、それでも足りないぐらいだ。今後一生ノニジュースしか飲んじゃいけないみたいな罰則とか与えられないもんかね。いや、だめだ、最終的に健康になってしまう。

いずれにせよ、今後二度とアイドル界でこういう話が出てこないことを切に願うばかりだ。