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楽曲評論家クソDDのアイドル三十七房

アイドルの話しかしません。

「専用劇場型ローカルアイドル」というビジネスタイプ

「専用劇場(=専劇)」を持っているアイドルは、そう多くない。「他との差別化を図る」という意味ではこれ以上に贅沢かつ効果的なやり方はない。もちろん長所があれば短所もあるのは当然だが、今年はこの「専用劇場型ローカルアイドル」に大きな波が押し寄せている。

 

専劇といえばまず間違いなくその走りになったのはAKBグループ。いまでこそ全国区はおろか日本を飛び出して世界からの注目も受ける、日本を代表するポップカルチャー・アイドルを象徴するグループになっているが、秋葉原ドンキホーテの8階に「AKB48劇場」が完成したのは2005年の話。まだ全然AKBがメジャー級でもなんでもないころに作られたのが「専用劇場」というビジネスタイプの始まりだとされている。

そこからはほぼなし崩し的に、2008年には名古屋にSKE・2011年には福岡にHKTと大阪にNMB・そして2016年には新潟にNGTの専用劇場が次々とオープンし、「AKBグループのアイドルには、専用劇場に行けば会える」という専劇商法の先駆者となった。

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(↑AKB48劇場。「日本で最も洗練された見世物」って今覚えばすごい大口…)

 

当然これを後追いしないアイドルグループがいないわけがなく、過去様々な専劇型アイドルが誕生してきた。とはいってもメジャーアイドルで専劇商法を用いるグループは数少なく、活動拠点とする地元への根付きをより強固なものにするための一つの方策として全国各地のローカルアイドルが導入していくのが主流だった。

しかし、ローカルアイドルと言えば聞こえはいいけれど、今や全国各地にごまんといるご当地アイドルたち、かたや盛り上がればかたや衰退していくのが世の常。

長い下積み時代がようやく報われ始めたNegiccoや、スターダストという強力なプロデュース力をもったバックに押し上げられて名古屋から飛び出したチームしゃちほこ、「奇跡の1枚」によって1人のメンバーがピックアップされたことによりグループ全体の知名度もあがったRev. from DVLなど、地方から全国へと羽ばたいていくロコドルがいる一方で、大きな会場を埋められるほどのヲタ付きもなければ強力なレーベルの後ろ盾もないグループは、日々生まれては日々消えていく。

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(↑かの有名な「奇跡の1枚」。この1枚の写真が1組のロコドルの運命を変えた)

 

そんな衰退の波が、専劇型ローカルアイドルにも押し寄せてきている。9/19をもって、広島のローカルアイドル「MAPLEZ」がホームとしてきた本通の専用劇場「STUDIO MAPLE」が閉店することが決まった。時を同じくして、福岡のローカルアイドル「HR」の専用劇場「ボックスシアター」も今年11月をもって移転されることが発表された。そして周知のとおり、前述のHKT48専用劇場も、初公演から4年4か月経った今年の3月にすでに営業終了となっている。

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(↑広島・本通のSTUDIO MAPLE。初めて行ったとき「推しメンおにぎり1500円」に驚愕したことを今でも覚えてる)

 

…というのが、最近あったあれこれのお話。

正直なところSTUDIO MAPLE何回か遊びに行ってただけに、なくなるとなるとかなりショックなんだな。広島のアイドル事情はSTUDIO MAPLEとアクターズスクールの極端な二極化が特徴だけど、アクターズスクールはあくまでもスクールだからおいそれと手を触れられない、となると広島で一番身近に触れ合えるアイドル文化っていうのがまさにSTUDIO MAPLEだった。GINGANEKOも当然そこで知ったし…。

専用劇場っていうのは、一見するとめちゃめちゃ敷居が高いようであって実はそうでもなかったりする。だからこそ、新規の人たちが入っていきやすいひとつの入り口として今後もっと整備されていけばいいなと思っていた矢先のこれ。やっぱり固定費が馬鹿にならないのか…。

 

単純に、アイドルと直接触れ合える場所が減っていくっていうことはさみしいなあ。