「℃-ute」解散にみる、アイドルのこれまでとこれから
℃-uteが、解散する。
正直アイドルにどっぷりハマりはじめたころからハロプロに詳しかったわけではないし、むしろ自分のドルヲタ人生の中ではハロプロは決してメインストリームではなかった。そんな自分にとってでも、いつだってごく当たり前のように存在して、当たり前のように触れることのできた、数少ないアイドルのうちの一つ。全てのドルヲタに対して平等に、普遍的に愛を振りまいてくれた存在である、そんな℃-uteが、解散する。
「ハロー!プロジェクト」が成立して以来、ハロプロ黎明期を支えたグループと言えば2004年に生まれた「Berryz工房」、そして2005年に生まれた「℃-ute」、通称「ベリキュー」の2組。その片方の車輪として12年間回り続けてきたBerryz工房が昨年3月に無期限活動停止を発表したことにより、もう片方の車輪である℃-uteはハロプロ最年長グループとなった。
そんなハロプロはおろかアイドル界を牽引する年長者グループが、来年2017年6月のさいたまスーパーアリーナワンマンをもって解散することがきょう発表された。これで、ハロプロ黎明期を支えたBerryz工房・℃-uteの両輪がともに動きを止めることになる。
(Berryz工房×℃-ute、通称ベリキュー)
アイドル業界は、かつての戦国時代から一斉撤退期に差し掛かりつつあると言われてもいる。今現在日本に存在すると言われているアイドルはおよそ3000組超。市場において既に飽和していたアイドルたちが次々とここ数年で姿を消し去りつつある。奇しくも、ハロプロのみならずアイドルそのものの黎明期を支える存在でもあったBerryz工房・℃-uteの活動停止・解散がここ数年間の「アイドル一斉撤退期」を象徴する出来事になってしまった。
とは、まあ、言ったものの、戦国時代から一斉撤退期へ変わる転機を間近で見ることができてしまっているのが個人的には非常に悲しいと同時に、これこそ自分がアイドルに対して感じる「おもしろさ」でもある。℃-uteを解散するということは、「アイドルではないあの5人を見れる」ということにもなる。事実今回の解散は、メンバー全員が20代になったことをきっかけに、グループの今後を考えるようになったというところに端を発する。5人それぞれが今後はそれぞれ個人として活動を続けていく。12年間続けてきた「アイドル」ではない形で。
それと同時に、ハロプロの組成も変わっていくことになる。モー娘。にまつわるハロプロ創生の時期を第1期、Berryz工房・℃-uteの両輪のもとに繁栄を遂げた時期を第2期とするならば、これからは名実ともにアンジュルムがハロプロを牽引していく、いわば第3期へと舵を切っていくことになる。
ここ数年、Juice=Juiceやこぶしファクトリー、つばきファクトリーと新しいグループにも強い勢いがあるハロプロ。間違いなく新しい時代へ突き進んでいってくれるはず。
ここからは正直な気持ち。
解散してほしくないです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もっともっと見たかった。ずーっとたまアリで単独公演をやることを目標に掲げつつ、それを最後に達成して終わりって、かっこよすぎる。かっこよすぎるよ。かっこよすぎるからこそその先をもっと見たいと思わされてしまった。
でももっと℃-uteを見たかったという気持ちと同じぐらい、これからのハロプロをもっと見たいというのもある。メインストリームでもあるモーニング、大黒柱になるアンジュルム、それこそ飛ぶ鳥を落とす勢いのこぶし、つばき。脇はJuice=Juiceとカントリー・ガールズでがっちり固めてある。ベリキュー両輪期と同じぐらいのレベルでフォーメーションは組みあがりつつある。
一斉撤退期、ドルヲタにとっては多少辛い響き。何よりももっと見たい。もっと見せてほしい、ほしかった。ただ、始まりがあれば終わりがあるし、キレイに終わるもののほうが美しいと個人的には思う(最近のBiSとか見てると特に)。楽しめるうちに、120%楽しんでおかないと損をするのは自分。℃-uteは去り際になんとなくそんなことを教えてくれたような気がする。
℃-ute 『心の叫びを歌にしてみた』(℃-ute[A Song from my Cying Heart]) (MV)
「あなたの代わりはどこにもないけど 私の代わりは居るみたいだね」
℃-uteの代わりなんて、マジでどこにもいない。12年間お疲れ様でした。と言ってもまだ終わってない。来年、℃-uteが終わる瞬間まで、しっかり見届けます。